「先生から酸素室の話が出たけれど、そもそも何なのか分からない」「費用は? うちの子に本当に必要?」──犬の酸素室について調べ始めた方に向けて、この1本で全体像がひととおり分かるように作りました。
当店は、ペット用の酸素室・酸素発生器を累計10,000台以上お届けしてきた専門店です。
この記事は、最初から順に読まなくても大丈夫です。いまのご状況に近いものをタップすると、該当のセクションに移動します。
犬の酸素室とは? 3つの道具でできている
犬の酸素室は、お部屋の中に「酸素の濃い小さな空間」をつくる道具です。ふだんの空気の酸素濃度は約21%。酸素室の中はこれを30〜40%程度に高めて、呼吸の負担をやわらげる環境を整えます[1]。
「酸素室」とひとことで言いますが、実際に必要な道具は3つです。
当店のNEVOTONシリーズは家庭用機器であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的には使えません。だからこそ、使うかどうかの判断は、必ず獣医師さんと相談しながら進めてください[2]。
酸素発生器の仕組みをもう少し知りたい方は、本格屋の「酸素濃縮器とは?仕組み・酸素室や酸素カプセルとの違いをやさしく解説」をどうぞ。
どんなときに必要になる?
酸素室を検討し始めるきっかけは、大きく2つあります。ひとつは、心臓や呼吸器の病気と診断され、獣医師さんからすすめられたとき。もうひとつは、入院を経て退院するときに「家でも酸素があると安心」と案内されたときです[2]。
とくに多いのは、小型犬に多い心臓病「僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)」のご家庭です。この病気は進行すると、肺水腫という急変を起こすことがあります。だからこそ、症状が落ち着いているうちに酸素環境を整えておくこと自体が、万が一への備えになります。ほかにも、気管虚脱・肺炎・老犬の呼吸の衰えなど、呼吸にかかわる場面で選ばれています。病名ごとの解説記事は、記事末尾の記事マップにまとめています。
まだ病名がない方は、呼吸数をひとつの目安に

「なんとなく呼吸が速い気がする」段階なら、まず眠っているときの呼吸数を数えてみてください。胸の上下1セットを1回として、15秒数えて4倍します[1]。
睡眠時に30回を超える状態が続くなら、酸素室を調べるより先に、動物病院で診てもらってください。診断がついてからの「いつ用意するか」は4つのSTEPで整理した記事があります。
効果の考え方|治療ではなく「環境づくり」
大切なことなので先にお伝えします。酸素室は、病気を治すものではありません。治療は動物病院で行うもの。酸素室の役割は、呼吸の負担をやわらげる環境を家の中に用意しておくことです[2]。
そのうえで、酸素の濃い環境で過ごすことで「横になって眠れるようになった」「落ち着いて過ごせる時間が増えた」といった変化を感じるご家庭は多くあります[3]。
「効いているのかな?」と思ったら、まず濃度計の数字を
感覚で判断する前に、酸素室の中が目安の30〜40%に届いているかを濃度計で確かめてください。数字が上がっていなければ、犬の体調の問題ではなく、環境や設定の問題であることがほとんどです。
- 本体まわりの空間|周りの空気を取り込んで高濃度の酸素をつくるため、壁のすぐそばや、保温性の高いカーペットの上では性能が落ちます。風通しのよい場所に置いてください
- 風量の設定|風量は下限に設定してください。強くするほど濃度は下がります
- 閉め忘れ|ファスナーの閉め忘れ・開けっぱなしがあると、濃度は上がりません
濃度が足りているのに苦しそうなときは、家庭用機器で支えられる段階を超えているのかもしれません。「酸素室に入れても苦しそうなとき」の項を確認し、動物病院に相談してください。効いているサインの見きわめ方は効果の記事、濃度の測り方は濃度の記事でくわしく解説しています。
費用の考え方|レンタルと購入の分かれ目
費用は「レンタルか、購入か」で考え方が変わります。一般的なレンタルは、基本料金・配達・回収を含めて月に約49,500円という例があります。短い期間ならレンタルが手軽。2か月を超えて使う見込みがあるなら、費用の面では購入も選択肢になってきます。
心臓病のように長く付き合う病気では、使う期間が読みにくいもの。迷ったら期間が読めないときの決め方を読んでみてください。
- 電気代|当店の酸素発生器(消費電力105W)なら、1日3時間の使用で月数百円程度です(→ 計算の詳細)
- ペット保険|機器の購入・レンタル費用は補償の対象外とされることが多いようです。ご加入の保険会社にご確認ください
- 病院・入院の費用|酸素管理を含む入院費用は病院によって大きく異なります。かかりつけにお尋ねください
使い方でつまずきやすい3つのこと
すでにお使いのご家庭からのご相談は、だいたいこの3つに集中しています。
① どれくらい入れておく? 入れっぱなしはだめ?
使う時間は病状で大きく変わるため、基本は獣医師さんの指示どおりに。そのうえで、ずっと閉じ込めきりにはせず、様子を見ながら休憩を挟む使い方をおすすめしています。休ませ方のコツと電気代の目安は入れっぱなしの注意点の記事にまとめました。
② 濃度は何%にすればいい?
家庭用の目安は30〜40%程度です。高ければいいわけではなく、上げすぎにはリスクもあります。濃度計での測り方と「上がらないときの原因」は濃度の記事で解説しています。
③ 嫌がって入ってくれない
無理に入れないことが基本です。当店の酸素室はロールアップ式ウィンドウ設計なので、窓を開けておけば風通しのよい「ふつうのお部屋(ハウス)」として日常使いできます。ふだんの居場所にしておくと、酸素室として使うときも、すんなり入ってくれやすくなります。5つのステップに分けた慣らし方の記事を参考にしてください。
このほか、夏の熱こもり対策・停電への備え・「いつまで使うか」の考え方は、記事マップの「使い方を調べる」からどうぞ。
酸素室に入れても苦しそうなとき
・酸素室に入れても呼吸が速い・苦しそうなまま
・口を開けて呼吸している(犬はふだん鼻で呼吸します)
・舌や歯ぐきが青紫っぽい(チアノーゼ)
ひとつでも当てはまれば、時間帯を問わず動物病院へご連絡ください。
家庭用の酸素室で支えられるのは、獣医師さんの治療を前提とした日常の環境づくりの範囲です。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった状態は、その範囲を超えています。迷ったら、酸素室ではなく電話を手に取ってください。
当店おすすめの3点セット
当店でいちばん選ばれているのは、酸素発生器 MAF mini 1.5の3点セットです。酸素発生器・酸素室・酸素濃度計の3つがセットになっているため、届いたその日から在宅酸素ケアを始められます。酸素をつくる部品(ゼオライト)の耐用時間は5,000時間。心臓病のように長く付き合う病気にも、しっかり応えられる設計です。
酸素室のサイズは、体重10kgまでの小型犬ならS、それ以上の子や多頭のご家庭ならMが目安です。
3点セット S|〜10kgの小型犬に 酸素発生器MAF1.5+酸素室S+酸素濃度計 3点セット M|中型犬・多頭の家庭に 酸素発生器MAF1.5+酸素室M+酸素濃度計サイズ選びに迷ったら、体重や体の大きさをお聞きして、いっしょに考えます。本格屋スタッフにお気軽にご相談ください。
1.0と1.5のどちらが合うか迷ったら、本格屋の「ペット用酸素発生器の選び方|濃度・流量・静音性で選ぶ5つのポイント」もご覧ください。
よくあるご質問
犬を酸素室に入れっぱなしにしていいですか?
ずっと閉じ込めきりにするのではなく、獣医師さんの指示を前提に、様子を見ながら休憩を挟む使い方をおすすめしています。とくに暑い時期は、酸素室の中に熱がこもって熱中症のリスクが高まります。エアコンの効いた部屋に置き、中の温度をこまめに確認してください。詳しくは入れっぱなしの注意点と休ませ方をご覧ください。
犬用の酸素室はいくらくらいしますか?
レンタルなら月に約49,500円という例があります。購入の場合は使う期間が長いほど費用面で有利になりやすく、2か月を超えて使う見込みがあるかどうかがひとつの分かれ目です。レンタルと購入の判断基準で詳しく解説しています。
ペット保険は使えますか?
保険会社とプランによります。たとえばアニコム損害保険では、獣医師の指示のもと治療として必要な場合は補償の対象で、通院1日あたりの支払限度額の範囲内で支払われます。通院補償のないプランは原則対象外です。契約前に、加入中の保険会社へ確認してください。
酸素室に入れると楽になりますか?
酸素の濃い環境は呼吸の負担をやわらげる助けになると考えられており、「横になって眠れるようになった」という声をいただくことがあります。ただし感じ方には個体差があり、治療の代わりにはなりません。効いているサインの見きわめ方も参考にしてください。
1日に何時間くらい使うものですか?
病状によって大きく異なるため、時間は獣医師さんの指示に従ってください。機器の面では、当店の酸素発生器は連続稼働に対応していますが、数時間おきに休憩を挟んでお使いください。
出入りを自由にさせてもいいですか?
出入り口を開けたままにすると中の濃度が下がるため、基本は閉めて使い、出たがるときは休憩として出してあげる形をおすすめしています。嫌がって入らない場合は慣らし方の5ステップを試してみてください。
酸素室は手作りできますか?
衣装ケースなどで空間だけ作っても、酸素発生器がなければ濃度は上がらず、密閉しすぎると二酸化炭素がこもる心配があります。手作りを検討している方は、先に手作りの注意点をご覧ください。
本格屋のNEVOTON(酸素発生器・酸素室)は医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズは、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
犬の酸素室 記事マップ
当サイトの犬に関する記事の全体図です。気になるところからご覧ください。
そもそもの仕組みをもっと知りたい方はペット酸素室とは?仕組み・費用・注意点もどうぞ。
- 日本動物医療センター「愛犬の健康を守る『心拍数』と『呼吸数』のチェック」jamc.co.jp(犬の安静時呼吸数10〜30回/分・15秒×4で計算・呼吸が速いまま苦しそうなら急ぎ受診)
- 犬猫酸素ラボ「ペット用酸素室の基礎知識!在宅酸素療法の仕組みと獣医師への相談ポイント」hirovet.jp(酸素療法は獣医師の診断・指導のもとで行うことが原則/慢性の呼吸器疾患・心疾患による低酸素血症が適応)
- 獣医もりぞー先生のわんにゃんアカデミー「【在宅酸素療法】犬と猫のペット用酸素室 心臓病と呼吸器疾患に効果的な理由」morizo-academy.com(酸素室内は体内に取り込まれる酸素量が増えることで呼吸が楽になる/在宅酸素療法は心臓病・呼吸器疾患の長期管理と緩和ケアで選ばれる)
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。数値は目安であり、診断・治療、酸素室を使うかどうかの判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
まとめ
- 犬の酸素室は酸素発生器・酸素室・酸素濃度計の3つでできている
- 役割は治療ではなく、呼吸の負担をやわらげる環境づくり
- 費用の分かれ目は使う期間。短期はレンタル、2か月超なら購入も選択肢
- 眠っているときの呼吸数1分30回超は受診の目安
- 酸素室に入れても苦しそうなら、様子を見ずにすぐ病院へ
酸素室のことを調べ始めるのは、たいてい、心配ごとが増えてきたときです。全部をいちどに理解する必要はありません。この記事を入口に、いまのご状況に合うページから少しずつ読んでいただければ十分です。分からないことは、いつでも本格屋スタッフにご相談ください。


