「なんだか呼吸が早い気がする」──愛犬のそんな様子に気づいたら、最初に見てほしいのは口元です。犬の呼吸の見分けは、ここから始まります。
犬は汗をほとんどかけないため、口を開けた速い呼吸(パンティング)で熱を逃がします[1]。運動のあと・暑いとき・興奮したときのハアハアは、体温調節の姿です。
体温調節ではなく、呼吸そのものが速くなっている状態です。浅くて速い呼吸や、眠っているのに速い呼吸も同じ仲間。数を数えて、受診を考えてください。
この記事では、この2つの見分け方と、受診の目安になる呼吸数の数え方、考えられる病気、受診までにできることを順にお伝えします。
口を開けたハアハア|正常と「おかしい」の線引き

パンティングそのものは、犬の正常なしくみです。ただ、次のようなときは「体温調節」では説明がつきません。
短頭種(フレンチブルドッグ・パグなど)は、もともと呼吸で熱を逃がすのが苦手な犬種です。ハアハアが長引きやすい子の日常ケアは短頭種の呼吸ケアの記事にまとめています。
口を閉じたまま早い|数えて確かめる
口を閉じているのに速い、浅くて速い、眠っているのに速い──こちらは「感じ」で様子を見ず、数字で確かめるのがいちばん確実です。
数え方はかんたんです。眠っているときに、胸の上下1セットを1回として15秒数え、4倍します[2]。
睡眠時に30回を超える状態が続くなら、動物病院に相談してください。60回ともなれば、正常の2倍以上。日数を待たず受診をおすすめします。
- パンティング中は数えても参考になりません。眠っているとき・くつろいでいるときに
- 1回で判断せず、日をまたいで2〜3回数えると変化が見えます
- あわせて動画を撮っておくと、受診時に獣医師さんへ正確に伝わります
考えられる病気|症状から探す
口を閉じたまま速い呼吸の背景には、心臓や呼吸器の病気が隠れていることがあります[3]。あてはまる様子から、くわしい記事へどうぞ。
なお、痛みや強いストレスでも呼吸は速くなります。震え・体を丸める・触られるのを嫌がるといった様子があれば、その旨も獣医師さんに伝えてください。
受診までにできること・避けたいこと
受診を決めたら、当日までは次のことを心がけてください。
- 涼しく、静かな場所で休ませる|運動や興奮は呼吸の負担になります
- 睡眠時の呼吸数と動画を用意する|診察室では普段の呼吸が見られないため、いちばんの手がかりになります
- 無理に抱き上げない|胸やお腹を圧迫する抱き方は、呼吸がつらいときには負担です。移動はキャリーやクレートで、そっと
- 食事や水を無理にすすめない|呼吸が速いときの誤嚥のもとになります
この症状があれば、いますぐ病院へ
・舌や歯ぐきが青紫っぽい(チアノーゼ)[3]
・横になれない・座ったまま首を伸ばして呼吸している
・お腹全体を大きく使って、苦しそうに呼吸している
・呼吸の速さに加えて、ぐったりしている・意識がもうろうとしている
「夜だから」「明日まで様子を見ようか」と迷う状態こそ、電話だけでも先にしてください。夜間救急の案内を受けられることがあります。
呼吸と長く付き合う病気なら、在宅酸素の備えも
心臓病のように呼吸と長く付き合う病気では、獣医師さんから在宅での酸素ケアをすすめられることがあります。急変しやすい病気ほど、症状が落ち着いているうちに家に酸素環境を整えておくことが、万が一への備えになります。
当店でいちばん選ばれているのは、酸素発生器 MAF mini 1.5の3点セットです。酸素発生器・酸素室・酸素濃度計の3つがセットになっているため、届いたその日から始められます。体重10kgまでの小型犬はS、それ以上の子や多頭のご家庭はMが目安です。
3点セット S|〜10kgの小型犬に 酸素発生器MAF1.5+酸素室S+酸素濃度計 ▶ 詳細を見る 3点セット M|中型犬・多頭の家庭に 酸素発生器MAF1.5+酸素室M+酸素濃度計 ▶ 詳細を見るそもそも酸素室とは何か、いつ用意するかの考え方は犬の酸素室 完全ガイドと用意するタイミングの記事で解説しています。費用の考え方はレンタルと購入の判断基準をどうぞ。
よくあるご質問
犬の呼吸が早いときは、どうしたらいいですか?
まず口元を見てください。口を開けたハアハア(パンティング)なら、涼しい場所で休ませて落ち着くかを確認。口を閉じたまま速いなら、眠っているときの呼吸数を数えて(15秒×4倍)、1分30回を超える状態が続くようなら動物病院に相談してください。
呼吸が1分60回は早いですか?
早いです。犬の安静時の目安は1分10〜30回で、60回はその2倍以上にあたります。日数を待たず、動物病院の受診をおすすめします。
口を閉じたまま呼吸が早いのは病気ですか?
体温調節のパンティングは口を開けて行うため、口を閉じたまま速い呼吸は、呼吸そのものが速くなっているサインです。心臓や呼吸器の病気が隠れていることがあるため、睡眠時の呼吸数を数えて受診の判断材料にしてください。
お腹で呼吸をしていて早いのは大丈夫ですか?
お腹全体を大きく使う速い呼吸は、呼吸がつらいときに見られるサインのひとつです。とくに横になれない・舌の色が悪いなどをともなうときは、時間帯を問わず動物病院へ連絡してください。
暑くないのに呼吸が早いのはなぜですか?
暑さで説明できない速い呼吸は、心臓や呼吸器の病気、痛み、ストレスなどが背景にあることがあります。「暑くないのに続く」こと自体が受診を考える目安です。
子犬の呼吸が早いのは正常ですか?
子犬は成犬より呼吸が速めな傾向がありますが、明確な基準は月齢や体格で変わります。眠っているのに速い状態が続く・元気や食欲が落ちているときは、月齢を問わず獣医師さんに相談してください。
老犬の呼吸が早いのは寿命ですか?
年齢だけでは判断できません。老犬の速い呼吸の背景には、加齢だけでなく心臓病などの治療できる病気が隠れていることもあります。「年のせい」と決めつける前に、老犬の呼吸の記事を参考に、一度診てもらってください。
本格屋のNEVOTON(酸素発生器・酸素室)は医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズは、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
- ヒルズペット「犬の息が荒い、息切れするのはパンティング?病気との違いや対処方法」hills.co.jp(犬は汗腺が少なく、口を開けた速い呼吸で熱を逃がす/涼しい場所で安静にしても落ち着かないパンティングは注意)
- 日本動物医療センター「愛犬の健康を守る『心拍数』と『呼吸数』のチェック」jamc.co.jp(犬の安静時呼吸数10〜30回/分・15秒×4で計算・呼吸が速いまま苦しそうなら急ぎ受診)
- 乙訓どうぶつ病院「犬の咳は要注意|原因と動物病院を受診すべき症状チェック」otokuni-ah.jp(チアノーゼ=舌や歯ぐきが青白い〜青紫は緊急/お腹を使った呼吸・食欲元気の低下は受診の目安)
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。数値は目安であり、症状の原因を判断できるのは獣医師だけです。診断・治療は必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
まとめ
- まず口元を見る。開けたハアハアは多くが正常、閉じたまま速いは注意のサイン
- 暑くないのに続く・休ませても落ち着かないパンティングは受診を
- 数字で確かめる。眠っているときに15秒×4倍、1分30回超が受診目安・60回なら迷わず
- チアノーゼ・横になれない・ぐったりは時間帯を問わずすぐ病院へ
- 受診には睡眠時の呼吸数のメモと動画がいちばんの手がかり
「気のせいかな」と迷う時間が、いちばん心細いものです。数字と動画という確かな手がかりがあれば、獣医師さんへの相談は格段にしやすくなります。今夜、眠っているときに、そっと15秒だけ数えてみてください🐾


