愛犬が心臓の病気と診断された。
最近、寝ているときの呼吸が少し速い気がする。
そんなとき、酸素室のことが頭をよぎると思います。
ただ、いざ調べてみると「いつ用意すればいいのか」が、いちばん分かりにくいところではないでしょうか。
まだ元気に見えるのに買うのは早い気もするし、かといって手遅れになるのもこわい。
この記事では、愛犬のために酸素室を用意するタイミングを、4つの段階に分けてお伝えします。
先に、答えからご覧ください。
愛犬が元気で、持病もない
まだ、いりません心臓や呼吸器の病気と診断された
獣医師に一言、聞いておく呼吸数が増えてきた/入院した
ここが、用意するタイミングいま、呼吸がつらそう
まず病院へ。酸素室はそのあと用意していただきたいのは、STEP 3の段階です。
安静時の呼吸数が増えてきたころ、または入院したときになります。
なぜその時期なのかは、本文でお話しします。
いま愛犬がいる段階のところから読んでいただいて大丈夫です。
当店のNEVOTONシリーズ(酸素発生器・酸素室)は、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。
診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。
「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、家庭用機器よりも動物病院の医療機器のほうが安心です。
獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
用意するかどうかも含めて、判断はかかりつけの獣医師とご相談のうえで決めていただくのがいちばん確実です[3]。
STEP 1|愛犬が元気で、持病もない
元気な愛犬に、予防として酸素室を使う必要はありません。
酸素室が役に立つのは、病気で酸素をうまく取り込めなくなったときです[3]。
健康な状態では、部屋の空気で足りています。
そのかわり、これだけやっておいてください
元気なうちの「安静時の呼吸数」を数えて、メモしておくことです。
これが、あとで効いてきます。
ふだんの数を知らないと、増えたかどうかが分からないからです。
数え方はこの記事の後半でお伝えします。
15秒あればできます。

STEP 2|心臓や呼吸器の病気と診断された
診断されたその日に、あわてて用意する必要はありません。
ただ、次の診察でこれだけ聞いておいてください。
「この病気で、おうちの酸素が
必要になることはありますか?」
この一言で、先の見通しが立ちます。
「今は必要ないですよ」と言われたら、それは安心材料です。
そのまま様子を見て大丈夫です。
「先々、必要になるかもしれません」と言われたら、頭の片隅に置いておいてください。
それがSTEP 3への入口になります。
なぜ、心臓や呼吸器の病気で必要になるのか
心臓の病気が進むと、肺に水がたまる(肺水腫)ことがあります[2]。
そうなると、酸素を取り込む効率が落ちてしまいます[2]。
在宅の酸素室は、こうした心臓病や呼吸器の病気の長期管理で選ばれています[2]。
犬に多い心臓の病気については、僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)の記事でくわしくまとめています。
肺炎や気管虚脱など呼吸器の病気は、犬の肺炎の記事と気管虚脱の記事をご覧ください。
STEP 3|ここが、用意するタイミング
この記事でいちばんお伝えしたいのが、ここです。
用意するタイミングは、次のどちらかだと考えています。
いずれの場合も、獣医師に相談したうえでお決めください。
安静時の呼吸数が、ふだんより増えてきた
入院して、退院の見通しが立った
なぜ、この時期なのか
理由は3つあります。
ひとつめ。呼吸がつらくなるのは、たいてい急です。
そして夜間や休日は、動物病院が開いていないこともあります。
そのときに手元に何もないと、選べる手が限られます。
ふたつめ。慣らす時間がいります。
体調が悪いときに初めて箱に入れられると、多くの子が警戒します。
まだ少し余裕があるうちに置いておけば、自分から入ってくれることがあります。
みっつめ。退院の日から、すぐ使えます。
病院の酸素室で楽になっていた子は、自宅にも同じ環境があると呼吸が落ち着きやすいことがあります。
入院中は、落ち着いて準備できる数少ない時間でもあります。
使わない期間があっても、それは無駄ではありません。
「準備したのに使わなかった」は、その子が元気だったという結果です。
それが、いちばん良い結末だと思います。
STEP 4|いま、呼吸がつらそう
酸素室は、受診の代わりにはなりません。
「酸素室があるから様子を見よう」
これが、いちばん避けたい判断です。
呼吸が速いままで苦しそうにしているときは、様子を見ずに動物病院へご連絡ください[1]。
あわせて、舌や歯ぐきの色も見てみてください。
いつもより白い、あるいは紫っぽいときは、酸素が足りていないおそれがあります。
電話をするとき、これを伝えると早いです
・安静時の呼吸数(数えられれば)
・口を開けているか、舌の色
・持病とお薬の名前
夜間や休日で、かかりつけが開いていないこともあります。
夜間救急の連絡先を、ふだんから控えておくと安心です。
そしてこの段階で、獣医師から医療機器での管理をすすめられたときは、必ずその指示に従ってください。
家庭用機器で対応できる状態かどうかを判断できるのは、その子を診ている獣医師だけです。
共通の物差し|安静時の呼吸数
STEP 1からSTEP 4まで、すべてに関わる数字があります。
それが安静時の呼吸数です。
道具はいりません。15秒あれば数えられます。
健康な犬では1分あたり10〜30回が通常の範囲とされています[1]。
ただし体格による幅があり、小型犬は20〜30回、大型犬は15回前後が目安といわれます[1]。
フレンチブルドッグやパグなどの短頭種は、もともと呼吸の音が大きく判断が難しいことがあります(短頭種の呼吸ケアの記事)。
ただ、大事なのは正常値そのものではありません。
その子のふだんの数から、どれくらい増えたかです。
だからSTEP 1で「元気なうちに数えておく」とお伝えしました。
うまく数えられないときは
長毛で胸の動きが見えにくいときは、鼻の前に手鏡を置いて曇る回数を数える方法があります[1]。
反対に「いつまで使うのか」は、犬の酸素室はいつまで?の記事でまとめています。
用意すると決めたら|何を、どのサイズで
STEP 3に来たとき、次に迷うのが「何を買えばいいのか」です。
そろえるのは、3つ
在宅の酸素ケアは、この3つで成り立ちます。
酸素室だけでは、酸素は出ません。
酸素発生器だけでも、濃度を保った空間はつくれません。
この3つは、セットで考えるものとお考えください。
当店で3点セットをご用意しているのは、そのためです。
サイズは、体重で選びます
〜10kgの小型犬にチワワ・トイプードル・ミニチュアダックス・シーズーなど/幅60×奥52×高50cm
10kgを超える中型犬に柴犬・コーギー・ビーグル・フレンチブルドッグなど/幅85×奥60×高60cm
この記事では、酸素発生器をMAF mini 1.5としてご提案しています。
迷われる要素を減らすため、選ぶのは酸素室のサイズだけにしました。
迷ったときは、愛犬の体重と設置場所をお知らせください。
当店からご提案します。
置き場所と、最初の設定
家族の姿が見える場所に置く
直射日光とエアコンの直風を避ける
いつもの毛布やタオルを敷く
最初は扉を開けたままにしておく
濃度や使用時間は、獣医師の指示に沿って決めてください。
目安は酸素濃度は何%?の記事と正しい使い方の記事でまとめています。
レンタルにするか、購入にするか
おおまかな目安は、短期ならレンタル、数か月以上続きそうなら購入です。
ただ「どれくらい続くか」は、始める時点では読めないことがほとんどです。
期間ごとの比較はレンタルと購入の比較記事でまとめています。

よくあるご質問
結局、いつ用意すればいいですか?
安静時の呼吸数がふだんより増えてきたころ、または入院して退院の見通しが立ったときが目安です。理由は3つあり、① 呼吸がつらくなるのは急なことが多く夜間・休日は病院が開いていない場合がある ② 体調が悪くなってからでは慣らす時間がない ③ 退院の日からすぐ使える、という点です。ただし用意するかどうかは、必ずかかりつけの獣医師にご相談のうえで決めてください。
まだ元気ですが、予防として使ってもいいですか?
元気な子に予防として使う必要はありません。酸素室が役に立つのは、病気で酸素をうまく取り込めなくなったときです。健康な状態では部屋の空気で足りています。そのかわり、元気なうちに安静時の呼吸数を数えてメモしておくことをおすすめします。ふだんの数を知らないと、増えたかどうかが分からないためです。
診断されたら、すぐ買ったほうがいいですか?
診断されたその日にあわてて用意する必要はありません。まずは次の診察で「この病気で、おうちの酸素が必要になることはありますか?」と聞いてみてください。「今は必要ない」と言われればそのまま様子を見て大丈夫ですし、「先々必要になるかも」と言われたら、呼吸数が増えてきた時点で用意する、という流れになります。
安静時の呼吸数は、どれくらいが目安ですか?
健康な犬では1分あたり10〜30回が通常の範囲とされています。体格による幅があり、小型犬は20〜30回、大型犬は15回前後が目安です。眠っているあいだに胸やお腹の上下を15秒数えて4倍すれば計算できます。長毛の子で分かりにくいときは、鼻の前に手鏡を置いて曇る回数を数える方法もあります。興奮時や運動直後は正確に測れません。正常値そのものより、愛犬のふだんの数からどれくらい増えたかが大切です。
何をそろえればいいですか?
① 酸素室(過ごす空間)② 酸素発生器(酸素をつくる機器)③ 酸素濃度計(濃度と室温を見る)の3つです。酸素室だけでは酸素は出ませんし、酸素発生器だけでも濃度を保った空間はつくれません。この3つはセットでお考えください。当店で3点セットをご用意しているのはそのためです。
SとM、どちらのサイズを選べばいいですか?
体重で選びます。〜10kgの小型犬(チワワ・トイプードル・ミニチュアダックスなど)ならS(幅60×奥52×高50cm)、10kgを超える中型犬(柴犬・コーギー・フレンチブルドッグなど)ならM(幅85×奥60×高60cm)が目安です。設置場所の広さも関わりますので、迷われる場合は愛犬の体重と置き場所をお知らせいただければ、当店からご提案できます。
この酸素室は医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズ(酸素発生器・酸素室)は、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、家庭用機器よりも動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
呼吸がつらそうです。すぐ酸素室を買えばいいですか?
いいえ、まず動物病院へご連絡ください。酸素室は受診の代わりにはなりません。「酸素室があるから様子を見よう」という判断がいちばん避けたいところです。電話のときは、いつからその様子か、安静時の呼吸数、口を開けているか、舌の色、持病とお薬の名前を伝えるとスムーズです。夜間や休日に備えて、夜間救急の連絡先を控えておくと安心です。
まとめ
この記事の答えを、もう一度だけ。
愛犬が元気で、持病もない
まだ、いりません心臓や呼吸器の病気と診断された
獣医師に一言、聞いておく呼吸数が増えてきた/入院した
ここが、用意するタイミングいま、呼吸がつらそう
まず病院へ。酸素室はそのあとそして、どの段階でも物差しになるのが安静時の呼吸数です。
健康な犬なら10〜30回。15秒数えて4倍するだけです。
「まだ早いのでは」と迷ったときは、使わずに済めば、それがいちばん良い結果だと思い出してください。
3点セット S|〜10kgの小型犬にチワワ・トイプードルなど 酸素発生器MAF1.5+酸素室S+酸素濃度計 3点セット M|10kgを超える中型犬に
柴犬・コーギーなど 酸素発生器MAF1.5+酸素室M+酸素濃度計
「うちの犬はどちらでしょうか」というご相談も、本格屋スタッフにお気軽にどうぞ。体重や体の大きさをお聞きして、いっしょに考えます。
- 日本動物医療センター「愛犬の健康を守る『心拍数』と『呼吸数』のチェック」/まみや動物病院「呼吸数を数えてみよう!」jamc.co.jp(犬の安静時呼吸数10〜30回/分・15秒×4で計算・長毛種は手鏡が曇る回数で代用・興奮時や運動直後は不正確・呼吸が速いまま苦しそうなら急ぎ受診)
- 獣医もりぞー先生のわんにゃんアカデミー「【在宅酸素療法】犬と猫のペット用酸素室 心臓病と呼吸器疾患に効果的な理由」morizo-academy.com(在宅酸素療法は心臓病・呼吸器疾患の長期管理と終末期の緩和ケアで選ばれる/心臓病の末期は肺水腫を起こし、酸素を取り込む効率が落ちる)
- 犬猫酸素ラボ「ペット用酸素室の基礎知識!在宅酸素療法の仕組みと獣医師への相談ポイント」hirovet.jp(酸素療法は獣医師の診断・指導のもとで行うことが原則。自己判断での使用は避ける/慢性の呼吸器疾患・心疾患による低酸素血症が適応)
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。数値は目安であり、個々の診断・治療の判断、そして酸素室を用意するかどうかの判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 当店のNEVOTONシリーズは家庭用機器であり、医療機器ではありません。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。


