台風、地震、大雪。
そして、それにともなう停電。
在宅で酸素ケアをしているご家庭にとって、いちばん不安なのが「電気が止まったら、酸素はどうなるの?」という点だと思います。
酸素発生器は電気で空気から酸素をつくる機器のため、停電するとその時点で止まります。
ただし、あらかじめ電源の備えと持ち出しの段取りを決めておけば、あわてずに対応できます。
この記事では、そのための具体的な準備を整理します。
停電すると酸素発生器は止まります
まず、正直にお伝えしておきたいことがあります。
酸素発生器は、電気を使って室内の空気から酸素を集める機器です。
ボンベのように酸素を貯めているわけではないので、停電すると、その時点で酸素の供給が止まります。
人の在宅酸素療法でも同じで、停電時はすぐに酸素ボンベへ切り替える対応がとられています[1]。
ペットの酸素ケアでは、人のように酸素ボンベを常備しているご家庭はほとんどありません。
そのため現実的な備えは、停電中も機器を動かせる電源を用意しておくことと、動物病院に運ぶ段取りを決めておくことの2つになります。
停電したら、まずやること
停電した直後は、次の順番で動くと落ち着いて対応できます。
呼吸の様子を確認する
口を開けた呼吸、体全体で苦しそうな呼吸、ぐったりなどがあれば、電源の確保より受診の判断を優先してください。
酸素室のファスナーを少し開ける
酸素の供給が止まった状態で閉め切ると、空気がこもりやすくなります。少し開けて換気してあげてください。
室温を保つ
エアコンも止まります。夏は保冷剤やうちわ、冬は毛布やカイロ(直接当てない)で、その子に合った温度を保ってください。
代わりの電源につなぐ
ポータブル電源などを用意している場合は、ここで接続します(03章)。
動物病院に連絡する
復旧の見込みが立たない、状態が不安——そんなときは早めに相談を。病院側も停電している可能性があるため、電話がつながるかの確認も含めて早めに動きます。

停電中に動かすための電源
停電中も酸素発生器を動かしたいときに、いちばん頼りになるのがポータブル電源です。
大きな充電器のようなもので、ふだんから充電しておけば、コンセントの代わりとして使えます。
気になるのは「どれくらい持つの?」という点だと思います。
当店の酸素発生器(MAF mini 1.0・1.5)なら、おおよその目安はこのくらいです。
容量 500Wh
約4時間
容量 1,000Wh
約8時間
停電が半日〜1日続くことも考えると、1,000Wh前後あると気持ちに余裕が生まれます。
「まずは病院に移動するまでのつなぎ」という考え方なら、小さめの容量でも役に立ちます。
選ぶときに見るのは、この2つだけ
数字が並ぶと迷ってしまいますが、むずかしく考えなくて大丈夫です。
お使いの機種をお知らせいただければ、当店から使える電源の条件をお伝えできます。
購入前に電源メーカーと当店の双方に確認しておくと安心です。
そしてもうひとつ大切なのが、買ったあと、ふだんから充電しておくこと。
いざというときに残量ゼロでは意味がないので、月に1回は充電を習慣にしておくと安心です。
車のシガーソケットから使う
「移動中や停電中に、車から電源を取れないか」というご相談はとても多くいただきます。
当店では、MAF mini 専用のカーシガーソケット電源アダプター(インバーター)をご用意しています。
車のシガーソケットに挿すだけで、MAF mini 1.0(消費電力95W)と1.5(105W)を車内で動かせます(対応は消費電力150W以下)。
カップホルダーに収まるサイズで、重さは37gです[5]。
・動物病院へ向かう車内で、酸素ケアを続けたいとき
・避難先へ移動する車内や、車で待機しているあいだ
とくに病院に着くまでの時間は、飼い主さんがいちばん不安になる場面だと思います。
「移動中も酸素を届けられる手段がある」と分かっているだけでも、判断に迷いが減ります。
近年はアイドリングストップ機能や電装系の複雑化により、一部の車両でご使用いただけない場合があります[5]。
車種や年式で線引きできるものではなく、実際に使ってみないと使用可否の判断ができないのが正直なところです。この点はあらかじめご了承ください。

※ MAF mini 1.0/1.5 に対応。MAF mini 2.5 は消費電力が大きいため対象外です。
車で過ごすときに、絶対に避けたいこと
・炎天下の車内にペットを残す
・エンジンを止めたまま長時間使う(バッテリー上がりの原因に)
車内は温度が急に上がりやすく、小動物や短頭種にはとくに危険です。
「電源が取れるから車内で過ごす」ではなく、移動と一時待機のための手段と考えてください。
避難するときの持ち出し
避難が必要になったときは、持ち出す順番をあらかじめ決めておくと迷いません。
当店の酸素室オキシボックスは折り畳んで持ち運べる設計です。
酸素発生器も家庭用サイズ(1.0=約5.2kg/1.5=約6.8kg)なので、車での移動なら一緒に運べます。
持ち出しリスト(例)
□ 折り畳んだ酸素室・酸素発生器・酸素濃度計
□ ポータブル電源と充電ケーブル
□ お薬・お薬手帳・かかりつけの連絡先
□ フード・水・トイレ用品
□ 保冷剤/毛布(季節に応じて)
持病のある子は、「かかりつけの連絡先」と「これまでの治療の記録」をひとまとめにしておくと、避難先や別の病院でも状況を伝えやすくなります。
【重要】酸素と火気の注意
災害時にとくに気をつけたいのが火気です。
停電中はろうそくやカセットコンロを使う場面が増えますが、酸素は燃焼を助ける性質(支燃性)があり、火事につながる危険があります。
人の在宅酸素療法では、装置の周囲2m以内に火気を置かないよう消防機関から注意喚起されています[2]。ペットの酸素ケアでも同じ考え方で、ろうそく・カセットコンロ・ストーブ・線香・たばこは酸素室や機器から離してください。
停電時の明かりは、火を使わないLEDライトや懐中電灯を選ぶと安心です。
「暗いからろうそく」は、酸素ケア中のご家庭ではとくに避けたい選択になります。
平常時にやっておく5つの備え
いざというときに落ち着いて動けるかは、ふだんの準備で決まります。
今日のうちにできることを、5つだけ挙げます。
電源を用意して、ふだんから充電しておく(使わなくても定期的に充電)
かかりつけと夜間救急の連絡先を紙に書いて貼る(停電でスマホが使えないことも)
持ち出しリストをつくり、置き場所を家族で共有する
機器の接続・取り外しを一度練習しておく(暗い中でもできるように)
停電時にどうするかを、獣医師さんに相談しておく(その子の状態で判断が変わります)
当店のNEVOTONシリーズは、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。獣医師さんの指示のもと、日々の環境を整える選択肢としてお使いいただけます。
「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、家庭用機器より動物病院の医療機器のほうが安心です。停電が長引く可能性があるときも、早めに病院へご相談ください。
濃度・温度を「見える化」で安心
停電から復旧したあと、「ちゃんと酸素が戻っているか」「室温が上がりすぎていないか」は、目で見てもわかりません。
当店のOXYONE(オキシワン)なら、酸素濃度・気温・湿度を1台でリアルタイム表示。
設定を外れるとアラームで知らせ、最大150時間の連続使用ができます。
電池式で単独で動くため、停電中も室温や湿度の確認に使えるのが心強い点です。
酸素濃度を数字で管理する意味は、酸素室の酸素濃度は何%?の記事でくわしく解説しています。
よくあるご質問
停電したら酸素発生器はすぐ止まりますか?
はい。酸素発生器は電気で空気から酸素を集める機器のため、停電するとその時点で止まります。人の在宅酸素療法でも、停電時はすぐに酸素ボンベへ切り替える対応がとられています。ペットの場合は、ポータブル電源などの代替電源を用意しておくか、動物病院へ相談する流れになります。
ポータブル電源はどれくらいの容量が必要ですか?
おおよその目安は500Whで約4時間、1,000Whで約8時間です(当店の酸素発生器の消費電力95〜105Wをもとにした計算)。停電が半日以上続くことも考えると、1,000Wh前後あると余裕があります。選ぶときは容量(Wh)と100Wの機器が使えるかを確認すれば大丈夫です。迷ったときは、お使いの機種をお知らせいただければ当店から条件をお伝えできます。
停電中、酸素室は閉めたままでいいですか?
酸素の供給が止まっている状態で閉め切ると、空気がこもりやすくなります。ファスナーを少し開けて換気してあげてください。あわせて、夏は熱がこもらないよう、冬は冷えすぎないよう室温にも気をつけてください。当店のオキシボックスは下部にCO2排出口(実用新案取得)があり、二酸化炭素がこもりにくい設計ですが、停電時は換気を心がけると安心です。
車の電源で酸素発生器を動かせますか?
当店ではMAF mini 専用のカーシガーソケット電源アダプター(インバーター)をご用意しており、消費電力150W以下に対応するためMAF mini 1.0・1.5を車内で動かせます。停電中のつなぎや、動物病院へ向かう車内でもお使いいただけます。ただし一部の車両では、アイドリングストップ機能や電装系の複雑化によりご使用いただけない場合があり、実際に使ってみないと使用可否の判断ができない点はご了承ください。また締め切った車庫や車内でエンジンをかけるのは排気ガスの危険があるため避けてください。車内は温度が急上昇しやすく、小動物や短頭種にはとくに危険です。
停電中の明かりは何を使えばいいですか?
LEDライトや懐中電灯など、火を使わない明かりを選んでください。酸素は燃焼を助ける性質があり、人の在宅酸素療法では装置の周囲2m以内に火気を置かないよう注意喚起されています。ろうそく・カセットコンロ・ストーブ・線香・たばこは、酸素室や機器から離してください。
避難するとき、酸素室は持って行けますか?
当店のオキシボックスは折り畳んで持ち運べる設計です。酸素発生器も家庭用サイズ(1.0=約5.2kg/1.5=約6.8kg)なので、車での移動なら一緒に運べます。ただし避難所では電源が使えないこともあるため、ポータブル電源とセットで考えること、そして受け入れ先(動物病院・預け先)を事前に確認しておくことが大切です。
台風の予報が出たら、何をしておけばいいですか?
ポータブル電源を満充電にし、持ち出しリストのものを一か所にまとめるのが最優先です。あわせて、かかりつけの動物病院の診療体制(臨時休診の有無)を確認し、夜間救急の連絡先も控えておきましょう。お薬が少なくなっていれば、早めに補充しておくと安心です。
本格屋のNEVOTON(酸素発生器・酸素室)は医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズは、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
まとめ
停電への備えは、そのままふだんの酸素ケアの安心にもつながります。
酸素濃度・温度・湿度を1台で見られる濃度計があれば、復旧後の確認もすぐにできます。
これから備えるなら、車用電源まで含めた5点フルセットなら、家でも移動中でも酸素ケアを続けられます。
(〜10kgの小型犬・猫・小動物向け) 酸素室S+MAF mini 1.5+酸素濃度計+オキシメーター+車用電源 酸素室 5点フルセット M
(中型犬・多頭飼いのご家庭向け) 酸素室M+MAF mini 1.5+酸素濃度計+オキシメーター+車用電源
機器選び・電源の相談・使い方のご相談は、本格屋スタッフにお気軽にどうぞ。その子に合う形を、いっしょに考えます。
- NsPace(訪問看護の情報サイト)「在宅酸素療法・在宅人工呼吸療法患者の災害対策」ns-pace.com(停電時は酸素濃縮器の電源が停止し酸素供給が止まる。事前準備と練習の重要性)
- 大阪市消防局「在宅酸素療養時の火災にご注意ください!」city.osaka.lg.jp(酸素は燃焼を助ける。装置の周囲2m以内に火気を置かない)
- ポータブル電源の稼働時間の計算方法(変換ロスを見込んだ目安の算出方法)ecoflow.com
- 本格屋 商品仕様(MAF mini 1.0:消費電力95W・重量5.2kg/MAF mini 1.5:消費電力105W・重量6.8kg)honkakuya.com
- 本格屋 商品ページ「NEVOTON MAF mini 用 カーシガーレットソケットインバーター」(消費電力150W以下・重量37g・一部車両での使用可否に関する注意事項)honkakuya.com
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。稼働時間の数値は目安であり、機器や環境によって変わります。個々のペットの診断・治療・停電時の判断は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 当店のNEVOTONシリーズは家庭用機器であり、医療機器ではありません。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。


