愛犬の呼吸が気になって調べていると、「酸素マスク」という言葉を目にすることがあります。
箱に入れるより手軽そうですし、自分で作れそうにも見えます。
この記事では、酸素マスクでどれくらいの酸素が届くのか、そしてどんな場面に向いているのかを整理します。
酸素マスクは、短い時間に、濃い酸素を届けたいときに向いているといわれています。
ただし嫌がる子が多く、長い時間は続けにくいという面もあります。
長く続けたい場面では、酸素室という選択肢もあります。
当店のNEVOTONシリーズ(酸素発生器・酸素室)は、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。
診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。
「常に高い濃度が必要」「片時も酸素から離せない」といった重篤な状態のときは、家庭用機器よりも動物病院の医療機器のほうが安心です。
獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
どの方法を使うか、濃度をどうするかも、かかりつけの獣医師の指示に沿って決めてください[2]。
酸素マスクは、どこまで届く?
酸素マスクとは、口と鼻をおおうカップに酸素を送り込むものです。
おうちで使う場合、届け方は次の2つに分かれます。
マスクを当てる|口元をおおって届ける
チューブを近づける|鼻先に流すだけ(フローバイ)
では、これでどれくらいの酸素が吸えるのでしょうか。
獣医療の場では、酸素マスクで50〜60%ほどの酸素濃度を届けられるといわれています[1]。
数字だけ見れば、かなり高い濃度です。
ただし、この数字には前提があります。
ネックになるのは、受け入れてもらえるかどうか
マスクを顔に当てられることを、多くの子が嫌がります。
獣医療の現場でも「ストレスになることが多く、口元に当てられるのを嫌がる子は珍しくない」とされています[1]。
さらに、マスクは吐いた息がこもりやすいため、長時間の使用は避けるとも指摘されています[1]。
鼻先に流すだけの方法(フローバイ)なら嫌がられにくいのですが、届く濃度は25〜40%ほどにとどまり、顔を背けられると効きめが落ちます[1]。
濃い酸素を届けられる一方で、長くは続けにくい。
これが、酸素マスクという方法の特徴です。
当店でご用意しているマスク
当店のソフトマスクは、酸素発生器の吐出口にチューブをつなぐだけで使えます。
チューブは約2mあるので、機器から少し離れていても届きます。
やわらかい素材で、かけひもが付いているのも特徴です。
ずっと手で押さえておく必要がないぶん、負担は軽くなります。
※ かけひも付き・チューブ約2m。酸素発生器につないでお使いいただけます。

3つの届け方と、それぞれの特徴
おうちで酸素を届ける方法は、大きく3つあります。
ほど
向き
短時間
を近くに
ほど
ラク
いるとき
30〜40%
OK
留守番
濃度を取るか、続けやすさを取るか
濃い酸素を届けるには、マスクを口元にしっかり密着させる必要があります。
すき間があるほど、送った酸素はそこから逃げてしまうためです。
ところが、密着させるほど嫌がる子は増えます。
そのあいだは、ずっと付き添っていることになります。
反対に酸素室は、濃度こそ30〜40%ほどですが、入れておくだけで手が離せます。
眠っているあいだも、そのまま過ごせます。
選ぶ基準になるのは、濃度の高さそのものよりも「そばで付き添うのか、預けておくのか」という違いです。
動物病院で使われる方法との違い
動物病院では、鼻カニューラ(鼻の穴に細いチューブを差し入れて酸素を送る方法)など、より確実に届ける手段が使われます。
ただし、いずれも専門の管理があってこその方法です。
おうちで取り入れられるのは、ここまでに挙げた3つが中心になります。
だからこそ、状態が重いときは動物病院の医療機器のほうが安心だとお伝えしています。
手作りのマスクという選択肢
「ペットボトルで作れる」という情報を見かけた方もいるかもしれません。
実際、当店にも「酸素室に入ってくれないので、手作りのマスクを使っています」というお声が届きます。
工夫すること自体は、悪いことではありません。
ただ、市販のマスクという選択肢もあります。
そのうえで、手作りする場合の注意点をお伝えします。
いちばんの注意点は「濃度が読めない」こと
手作りだと、いま何%の酸素を吸えているのかが分かりません。
これはマスクという方法そのものの弱点でもあります。
獣医療でも、マスクやフローバイでは実際に届いている濃度がその子の呼吸によって変わるため、供給できている量が分かりにくいと指摘されています[1]。
手作りであれば、なおさら読めません。
すき間が多ければ上がりませんし、逆に密閉しすぎれば吐いた息がこもります。
在宅で使う場合、おおむね30〜40%程度を目安にすることが多いといわれています(→酸素濃度の記事)。
どれくらいを目標にするかは、必ず獣医師にご確認ください。
すき間があると、濃度は上がりません
もうひとつの注意点が、顔とのすき間です。
マスクは顔の形にぴったり合っていないと、送った酸素がそのまま外へ逃げます。
とくにマズルの長い子や短頭種は、市販のものでも合いにくいことがあります。
「作ってはみたけれど、変化を感じない」
そうしたときは、酸素が届く前に逃げている可能性があります。
作る場合は、濃度計をあわせて
手作りのものを使うのであれば、濃度計だけは用意していただきたいところです。
数字が見えないまま使い続けるのが、いちばん不安な状態だからです。
いま何%なのかが分かれば、獣医師にも相談しやすくなります。
「作ってみたけれど、これで合っているのか分からない」
——その不安は、数字が見えるだけでずいぶん軽くなります。
※ 酸素濃度・気温・湿度を1台で表示します。手作りのものでも、市販の酸素室でも使えます。
マスクにも酸素室にも、酸素発生器が必要です
「酸素マスクで使いたいけれど、酸素発生器も必要ですか」
こちらも、よくいただくご質問です。
答えは「必要です」。マスクも酸素室も、酸素そのものをつくる機器がなければ始まりません。
当店のMAF miniは、2つの使い方ができます。
チューブで直接|そばにいるとき、短時間に
酸素室につないで|眠るとき、長い時間に
付属のチューブを本体につなげば、そのまま口元へ届けられます。
酸素室を使うときは、同じ本体をチューブで酸素室につなぐだけです。
つまり、あとから使い方を変えられます。
「まずはチューブで様子を見て、慣れてきたら酸素室も」という進め方も可能です。
酸素発生器そのものの選び方は、本格屋の「ペット用酸素発生器の選び方|濃度・流量・静音性で選ぶ5つのポイント」で解説しています。
マスクが向く場面、酸素室が向く場面
ここまでの内容を、場面ごとに整理します。
マスク・チューブが向く場面
・箱に入るのを、どうしても嫌がるとき
・酸素室を用意するまでの、つなぎとして
酸素室が向く場面
・留守番のあいだ
・つきっきりでいられないとき
長い時間を支えるとなると、酸素室という選択肢も有効かもしれません。
かけひも付きのマスクなら手は離せますが、顔に装着した状態が続くことに変わりはありません。
車での移動中も、酸素室は使えます
「車に酸素室は積めない」と思われがちですが、そんなことはありません。
当店ではシガーソケットから使える車載用の電源アダプターをご用意しています。
これを使えば、酸素発生器と酸素室をそのまま車内で動かせます。
とくに動物病院へ向かうまでの時間は、飼い主さまの不安がいちばん大きくなる場面です。
移動中も同じ環境を保てることは、安心につながります。
くわしくは停電・災害時の備えの記事にまとめています。
マスクを嫌がるときは
顔まわりを触られるのが苦手な子は、少なくありません。
そうしたときは、次のような手順で試してみてください。
顔に密着させず、少し離して当てる
数秒から始めて、少しずつ延ばす
いちばん落ち着いている時間帯に試す
嫌がったら、すぐにやめる
とくに大切なのは、4つめです。
押さえつけると、かえって呼吸が荒くなります。
それでは、酸素を届ける意味が薄れてしまいます。
どうしても難しいときは、無理をせず酸素室に切り替えるという方法もあります。
酸素室を選ぶときに、見ておきたいこと
見落とされがちな点が、ひとつあります。
密閉した空間で過ごすと、吐いた息(二酸化炭素)がこもりやすいという課題があります[1]。
そのため酸素室を選ぶときは、二酸化炭素を逃がす構造があるかを確認してください。
当店のオキシボックスには、そのための排出孔を設けています。

よくあるご質問
犬に酸素マスクは効果がありますか?
獣医療の場では、酸素マスクで50〜60%ほどの酸素濃度を届けられるといわれています。数字だけを見れば高い濃度です。ただしストレスになることが多く、口元に当てられるのを嫌がる子は珍しくないとされ、吐いた息がこもりやすいため長時間の使用は避けるとも指摘されています。鼻先に流すだけの方法(フローバイ)は嫌がられにくいものの、届く濃度は25〜40%ほどにとどまります。短い時間なら濃い酸素を届けられるが、長くは続けにくいとお考えください。
酸素マスクは手作りできますか?
作ること自体はできますが、いま何%の酸素を吸えているのか分からないという大きな注意点があります。これはマスクという方法そのものの弱点でもあり、獣医療でも実際に届く濃度はその子の呼吸によって変わると指摘されています。手作りならなおさらで、すき間が多ければ上がりませんし、密閉しすぎれば吐いた息がこもります。もし使う場合は、酸素濃度計だけは用意して、数字を見ながら使うことをおすすめします。
酸素は濃いほうがいいのですか?
いいえ。在宅で使う場合、おおむね30〜40%程度を目安にすることが多いといわれています。「濃いほど良い」ではありません。また、マスクやフローバイでは実際に届く濃度がその子の呼吸によって変わるため、供給できている量が分かりにくいという指摘もあります。濃度の設定は、必ずかかりつけの獣医師にご確認ください。
マスクで使う場合も、酸素発生器は必要ですか?
必要です。マスクも酸素室も、酸素そのものをつくる機器がなければ始まりません。当店のMAF miniは付属のチューブを本体につないで直接届ける使い方と、酸素室につないで使う方法の両方に対応しています。同じ本体で使い分けられるので、「まずはチューブで様子を見て、慣れてきたら酸素室も」という進め方もできます。
ペット用の酸素マスクは売っていますか?
当店ではMAF mini用のソフトマスクをご用意しています。酸素発生器の吐出口にチューブをつなぐだけで使え、チューブは約2mあります。やわらかい素材でかけひも付きなので、ずっと手で押さえていなくても使えます。なお、マスク単体では酸素は出ませんので、酸素発生器とあわせてお考えください。
マスクと酸素室、どちらを選べばいいですか?
場面で使い分けます。マスク・チューブが向くのは、そばにいて短い時間だけ支えたいとき、箱に入るのをどうしても嫌がるとき、酸素室を用意するまでのつなぎです。酸素室が向くのは、眠っているあいだ、留守番のあいだ、つきっきりでいられないときです。なお、車での移動中もシガーソケットから使える車載用の電源アダプターを使えば、酸素発生器と酸素室をそのまま車内で動かせます。
酸素室を選ぶとき、見ておくべき点はありますか?
密閉した空間で過ごすと吐いた息(二酸化炭素)がこもりやすいという課題があります。そのため二酸化炭素を逃がす構造があるかを確認してください。当店のオキシボックスには、そのための排出孔がついています。あわせて、連続して稼働できるか、酸素濃度を確認できるかも見ておくと安心です。
これは医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズ(酸素発生器・酸素室)は、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。「常に高い濃度が必要」「片時も酸素から離せない」といった重篤な状態のときは、家庭用機器よりも動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
まとめ
結局、何をそろえればいいか
チューブで直接使うなら、酸素発生器と酸素濃度計。
長い時間も考えるなら、そこに酸素室が加わります。
当店が3点セットをご用意しているのは、この組み合わせが、いちばん幅広く使えるためです。
チューブで直接も、酸素室も、同じ本体でまかなえます。
サイズは、愛犬の体重でお選びください。
3点セット S|〜10kgの小型犬にチワワ・トイプードルなど 酸素発生器MAF1.5+酸素室S+酸素濃度計 3点セット M|10kgを超える中型犬に
柴犬・コーギーなど 酸素発生器MAF1.5+酸素室M+酸素濃度計
「うちの子にはどちらが合うでしょうか」というご相談も、本格屋スタッフにお気軽にどうぞ。体重や体の大きさをお聞きして、いっしょに考えます。
- みけぶろぐ(米国で勤務する獣医師)「動物病院での様々な酸素供給方法」veccblog.com(酸素マスクは50〜60%を供給できるがストレスになることが多く、口元に当てられるのを嫌がる患者は珍しくない/CO2蓄積防止のため長時間使用は避ける/フローバイは25〜40%にとどまり顔を背けられると実効性が低下/酸素フードは30〜40%/これらの方法では供給できている酸素量が分かりにくい)
- 犬猫酸素ラボ「ペット用酸素室の基礎知識!在宅酸素療法の仕組みと獣医師への相談ポイント」hirovet.jp(酸素療法は獣医師の診断・指導のもとで行うことが原則。自己判断での使用は避ける)
- 本格屋 商品仕様(MAF miniはチューブによる直接供給と酸素室への接続の両方に対応/オキシボックスにCO2排出孔を装備)honkakuya.com
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。数値は目安であり、感じ方や適した方法には個体差があります。どの方法を使うか、濃度をどうするかは、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
※ 当店のNEVOTONシリーズは家庭用機器であり、医療機器ではありません。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。


