ふと見ると、猫の呼吸がいつもより早い。触っていいのか、病院に行くべきか、様子を見ていいのか。猫は口で呼吸しない動物なので、呼吸の変化は見逃したくないサインです。
迷ったときのために、確認の順番を最初にまとめました。このあと、それぞれをくわしく説明します。
口を開けて呼吸している/呼吸のたびに体が大きく波打つ/舌や歯ぐきが青白い・青紫っぽい/ぐったりしている
→ ひとつでもあれば、時間を問わず今すぐ動物病院へ
確認① のサインがなければ、15秒数えて4倍します。安静時に40回を超える/眠っているのに30回を超える状態が続いていないか
→ 続いていれば、記録して数日以内に受診を
遊んだ直後・興奮・暑さ・緊張のあとなら、静かな場所で様子を見ます。10分ほどで戻るか
→ 戻れば一時的な反応のことが多め。戻らなければ確認② へ
家庭用機器か、医療機器か
この記事の後半では、在宅の酸素ケアで使う当店の酸素発生器・酸素室(NEVOTONシリーズ)にも触れます。先にお伝えしておくと、これらはご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。
「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
呼吸数の数え方と、3つの目安
フローの「確認②」で使う数字は、この3つです。
数え方はかんたんです。眠っているか、落ち着いているときに、胸やお腹の上下(吸って吐いてで1回)を15秒数えて4倍します[1]。
起きて動いているときの数は当てになりません。眠っているときの数がいちばん正確です。あわせて、呼吸の様子をスマホで動画に撮っておくと、診察でそのまま役立ちます。
大事なのは、1回の数字より「その子の平常値からどれくらい増えたか」です。元気なうちに数えて、平常値をメモしておいてください。

確認① 見た目の危険サイン
フローの「確認①」にあたる章です。次のサインは呼吸がかなり苦しい状態を示すといわれ、ひとつでも当てはまれば、時間を問わず動物病院へ連絡してください。
口を開けて呼吸している
猫は基本的に口で呼吸しません。口を開けてハアハアしているのは、犬とちがって強い異常のサインとされます[3]。くわしくは猫の口呼吸の記事にまとめています。
呼吸のたびに、体が大きく波打つ
ふだんの猫の呼吸は、体がほとんど動きません。呼吸のたびに体全体が大きく揺れる・お腹が大きく波打つのは、努力呼吸といって、全身で酸素を取り込もうとしている状態の可能性があります[2]。
舌や歯ぐきの色が青白い・青紫っぽい
血液中の酸素が足りていないサイン(チアノーゼ)といわれます。大量のよだれや、ぐったりして動かない様子も同じく緊急です[2]。
キャリーに毛布をかけて暗くし、揺らさないように運びます。抱きしめたり、無理に姿勢を変えたりしないでください。猫が自分で楽な姿勢を取れることが優先です。
確認② 数字が高い状態が続くときの原因
確認① のサインがなくても、安静時に40回を超える・眠っているのに30回を超える状態が続くなら、体の中で何かが起きている可能性があります。考えられる主な原因です。
→ 表は横にスクロールできます
| 原因 | 特徴 |
|---|---|
| 心臓の病気 | 肥大型心筋症(HCM)など。呼吸数の増加が最初のサインになることも(→猫のHCM) |
| 猫喘息・気管支炎 | 咳やゼーゼーという呼吸音をともなうことがあります(→猫の喘息・気管支炎) |
| 肺炎・胸水・肺水腫 | 肺や胸に水や炎症があると、浅く早い呼吸になりやすいといわれます[1] |
| 貧血 | 酸素を運ぶ力が落ちるため、呼吸で補おうとします[2] |
| 熱中症 | 暑い季節・閉めきった部屋で。呼吸の速さに加え、ぐったりする様子があれば緊急です(→夏のペット酸素ケア) |
どれに当たるかは、聴診やレントゲンなどの検査でしか分かりません。記録した呼吸数と動画を持って、受診してください。数字と映像があると、診察が早く進みます。
確認③ 一時的に早くなる場面
次の場面では、健康な猫でも呼吸が早くなります。
遊んだ直後・興奮したとき・暑いとき・緊張したとき(通院や来客など)。これは体温を調節したり、体に酸素を送ったりするための生理的な反応で、涼しく静かな場所で10分ほど様子を見て戻るなら、心配のいらないことが多いといわれます[2]。
子猫は成猫より代謝が活発なぶん、呼吸がやや速めです。遊んだあとにハアハアしやすいのもこのためですが、落ち着いても戻らない・口を開けたままになる場合は、子猫でも確認① ・② と同じ基準とお考えください。
短い遊びのたびに毎回ハアハアする、回復に時間がかかるようになった——そんな変化が重なるときは、一時的に見えても背景に原因が隠れていることがあります。平常値の記録を持って、一度ご相談ください。
元気なのに早いとき・検査で異常なしのとき
いちばん迷うのがここです。食欲もあるし、遊ぶ。でも呼吸だけ早い。
元気があっても、安静時の呼吸数が増えた状態が続くなら、それ自体が受診の理由になります。猫は不調を隠す動物で、呼吸数は隠せない数少ないサインだからです。とくに心臓の病気は、元気に見える時期から静かに進むことがあるといわれます[2]。
受診して「異常なし」と言われたら、それはそれで大きな収穫です。そのときの呼吸数がその子の平常値として記録できるからです。以後は平常値との差で見ていき、増えたらまた相談する、というつきあい方になります。
おうちでできることと、酸素ケアの位置づけ
ご家庭でできるのは、記録することと環境を整えることです。呼吸数と動画の記録は、ここまでお伝えしたとおりです。環境面では、室温20〜28℃・湿度40〜60%を目安に、静かに休める場所を用意してください。
そのうえで、病気と診断されて呼吸の負担が続く段階になると、獣医師から在宅での酸素ケアを提案されることがあります。当店にご相談いただくのも、多くはこの段階です。いま呼吸が早いというだけの段階で、急いで用意する必要はありません。まずは受診と、原因をはっきりさせることが先です。
その段階が来たときの考え方は、猫に酸素室は必要?と猫の酸素室に効果はある?にまとめています。
まとめ
口を開けている・体が波打つ・舌が青紫・ぐったり → 今すぐ病院
安静時40回超・眠っていて30回超が続く → 記録して早めに受診。元気があっても同じです
遊び・興奮・暑さ・緊張のあと10分ほどで戻る → 一時的な反応のことが多め
数え方は「15秒×4」。眠っているときの数がいちばん正確で、大事なのはその子の平常値からの変化です。

よくあるご質問
猫の呼吸が早いのは危険なサインですか?
状態によります。口を開けている・呼吸のたびに体が大きく波打つ・舌や歯ぐきが青紫っぽい・ぐったりしている場合は緊急性が高く、すぐ動物病院へ連絡してください。そうしたサインがなくても、安静時に1分間40回を超える状態が続くなら受診の目安です。遊びや興奮のあとに一時的に早くなり、10分ほどで戻るのは生理的な反応のことが多いといわれます。
猫の呼吸は、1分間に何回からが「早い」のですか?
落ち着いているときの猫は1分間に20〜30回が目安です。安静時に40回を超える、または眠っているのに30回を超える状態が続く場合は、早いと考えて受診をご検討ください。眠っているあいだに、胸やお腹の上下を15秒数えて4倍すると測れます。
寝ているときだけ呼吸が早い気がします。問題ありますか?
眠っているときはふだんより呼吸がゆっくりになり、1分間30回未満が普通とされています。つまり「寝ているのに早い」は、起きているときに早いことよりも注意したいサインです。数日続けて同じ時間帯に数えて、30回を超える状態が続くなら、記録を持って受診してください。心臓の病気では、眠っているときの呼吸数の増加が早めのサインになることがあるといわれます。
呼吸のたびにお腹が動くのは大丈夫ですか?
呼吸にあわせてお腹が静かに上下するのは普通です。注意したいのは、呼吸のたびに体全体が大きく揺れる・お腹が大きく波打つ場合で、努力呼吸といって全身で酸素を取り込もうとしている状態の可能性があります。この様子が見られたら、すぐ動物病院へご連絡ください。
元気で食欲もあるのに呼吸が早いのは、病気ですか?
元気があっても、安静時の呼吸数が増えた状態が続くなら受診の理由になります。猫は不調を隠す動物で、呼吸数は隠せない数少ないサインだからです。とくに心臓の病気は、元気に見える時期から静かに進むことがあるといわれます。呼吸数の記録と動画を持って、一度ご相談ください。
猫は生まれつき呼吸が早いことはありますか?
呼吸数には個体差があり、子猫は成猫より速めです。ですから「生まれつきこの子は速いのかも」と感じる場面はあります。ただし、生まれつきかどうかを自宅で判断する方法はありません。先天性の心臓疾患などが隠れていることもあるため、続くようなら一度受診して確かめてください。異常がなければ、そのときの数字がその子の平常値になります。
ストレスでも呼吸は早くなりますか?
なります。通院・来客・大きな音・環境の変化などの緊張で、一時的に呼吸が早くなることがあります。静かな場所で落ち着けば戻ることが多いといわれます。ストレスの原因が去っても戻らない場合は、ストレス以外の原因を考えて受診してください。
本格屋のNEVOTON(酸素発生器・酸素室)は医療機器ですか?
いいえ。当店のNEVOTONシリーズは、ご家庭で使う「家庭用機器」であり、医療機器ではありません。診断・治療・病気の予防を目的とした使用はできません。
「常に高い濃度が必要」「片時も酸素室から離せない」といった重篤な状態のときは、動物病院の医療機器のほうが安心です。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。
酸素ケアを提案される段階になったら
心臓や呼吸器の病気とつきあっていく中で、獣医師から在宅の酸素ケアを提案されたら、必要になるのは酸素室・酸素発生器・酸素濃度計の3つです。酸素室だけでは酸素は出ず、濃度計がなければ「いま何%か」が分かりません。
ご紹介するのは酸素発生器がMAF mini 1.5のセットです。酸素室をSとMの両方から選べること、酸素をつくる部品(ゼオライト)の耐用時間が5,000時間と長く、使う時間が長くなっても対応しやすいことが理由です。
3点セット S|〜10kgの猫に1匹で使う、標準のサイズ 酸素発生器MAF1.5+酸素室S+酸素濃度計 3点セット M|長時間・多頭のご家庭に
中に水や寝床を置いても余裕があります 酸素発生器MAF1.5+酸素室M+酸素濃度計
「うちの子にはどちらが合うでしょうか」というご相談も、本格屋スタッフにお気軽にどうぞ。体重や体の大きさをお聞きして、いっしょに考えます。
レンタルと購入で迷っている段階の方は、ペット酸素室のレンタル|購入との違いと、期間が読めないときの決め方もあわせてご覧ください。
- 日本動物医療センター「猫の呼吸が速い!考えられる病気と対処法」ほかjamc.co.jp(安静時の呼吸数は1分間に20〜30回が目安・15秒数えて4倍で計算/安静時40回超が続く場合は心臓病・肺炎・胸水・肺水腫・猫喘息などを疑い受診)
- こすもす動物診療所「猫の呼吸が早い原因と対処法|寝ている時に早いのは?お腹が動くのは?」cosmos-ac.com(睡眠時の呼吸数は1分間30回未満が普通/呼吸のたびに体が大きく波打つのは努力呼吸の可能性/運動・興奮・暑さ・ストレスによる一時的な増加は10分ほどで戻ることが多い/病的原因として猫喘息・肺炎・肥大型心筋症・熱中症・貧血/40回以上、とくに60回以上は危険・チアノーゼや大量のよだれは早期受診)
- ナガワ動物病院「猫が口を開けて呼吸している…病院に行くべき?」nagawaah-vet.com(猫は基本的に口で呼吸しない。開口呼吸は熱中症・肺水腫・重篤な心臓病・強い痛みなどの可能性があり緊急性が高い)
- 本格屋 商品仕様(MAF mini 1.5=オイルレスモーターで連続稼働に対応・ゼオライト耐用5,000時間/オキシボックスS=幅60×奥52×高50cm・M=幅85×奥60×高60cm/在宅の酸素室の目安濃度30〜40%)honkakuya.com
※ 本記事は上記を参考に、本格屋スタッフが一般的な情報としてまとめたものです。数値は目安であり、個体差があります。呼吸の異常の原因を判断できるのは獣医師だけです。診断・治療については必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
※ 当店のNEVOTONシリーズは家庭用機器であり、医療機器ではありません。獣医師から医療機器での管理をすすめられた場合は、必ずその指示に従ってください。


